中国設計事情1

中国の設計状況で、注目すべきはディテールとスピードだ。
周知の事実であり、特筆するほどではないかもしれないが、後々のために記しておく。
今回はディテールに関して
中国の施工技術は高くない、というより悪い。現場見学に行ったり、写真をみるが、現場自体がゴミで汚いし、コンクリートの打ち直し、またはカットは日常茶飯事だ。
このことに関して社会的状況や施工者の考え方に起因するのだと思われるが、中国の施工技術の改善にはもう少し時間がかかりそうだ。
ここで述べておきたいのは、現場環境に対する建築家のスタンスだ。
中国の建築家(特にスタジオ系)は、ディテールで一つの勝負をしているようだ。意外だった。そこにある作家性を挿入しているようにも思える。しかし、現場は手のかかるディテールをつくることはできない。そこで建築家は、その時できる一番簡素なディテールを選択し、そのディテールに沿って空間を特徴づけていく。私は、クレバーな判断だなと思っている。
自分ならばどうするか。ディテールが荒いなら、ワイルドな空間表現として積極的に用いるだろう。もし、ディテールが汚いと言われたら、made in shanghaiだとシニカルに笑っているだろう。ディテールによって失った建築の価値をどうように担保するか?ディテールによって生まれたノイズが空間をより豊かにするとでも話すのだろうか?うーん、難しい。。もし建築が芸術作品ならば、中国社会を揶揄する状況証拠とでも落としどころがあるのだろうか。less detailの世界。こう考えると私よりも中国の建築家はクレバーだ。